
「同一労働同一賃金」の施行によって、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差が解消されました。
この影響もあって、派遣での働き方が注目されています。
派遣での働き方を検討している人は、事前に派遣のメリットとデメリットをきちんと知っておくことが大切です。
働き始めてから「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、理解しておく必要があります。
この記事でわかること
- 派遣で働く7つのメリット
- 派遣で働くデメリット
- 派遣が向いている人の特徴
派遣として働くメリット・デメリットを理解できるので、派遣での働き方に興味がある人や悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
派遣で働く7つのメリット

派遣社員は正社員に比べて自由度が高いことが特徴です。
そのため「あえて派遣で働く」選択をする人も少なくありません。派遣には代表的なメリットとして、次の7つがあります。
- 高収入が狙える
- 仕事の責任が小さい
- 希望する条件で働ける
- 残業代がきちんと出る
- 異動や転勤がない
- 未経験でも求人がある
- 正社員登用が目指せる
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 高収入が狙える
派遣は、基本的に「時給制」です。しかし、アルバイトやパートに比べると高めに設定されています。
企業側は派遣会社に依頼することで求人費用がかかりません。
自社で求人をしても、なかなか採用に結びつかないこともあります。

場合によっては、多額の費用が発生するケースも少なくありません。
また、派遣先企業にとっては自社雇用ではないため「健康保険」や「福利厚生」などの費用負担がなく、採用後の人件費も抑えられます。
そのため、派遣スタッフに対して高めの時給を提示できるのです。
2. 仕事の責任が小さい
会社には、社員だけしか共有できない情報などもあります。
そのため、責任の大きい仕事は社員が行うケースが多く、派遣は補助的な仕事を任されるのが一般的です。
特に、経理部門などは会社の数字を扱うため、機密情報が多い書類などは社員でも限られた人しか扱わせてもらえないこともあります。
「責任のある仕事をしたくない」との理由から、あえて派遣としての働き方を選択するケースも少なくありません。
3. 希望する条件で働ける
派遣会社は多くの求人を持っているため、自分が希望する条件の仕事が見つかりやすいのが特徴です。
正社員であれば「1日7〜8時間勤務で週休2日」が一般的ですが、派遣社員は希望できます。
たとえば「週に3日だけ」や「1日6時間」など自分の生活スタイルに合わせられるのです。
仕事を探す際に「休日はどれくらいほしいのか」「残業の量や仕事の範囲」など、まずは希望条件を伝えてみましょう。
休日はどれくらい取れるか、残業は多いか、仕事の範囲など、まずは希望条件を伝えてみましょう。
4. 残業代がきちんと出る
- 残業させられるけど、残業代が出ない
- 残業代は出るけど固定なので、それ以上残業してももらえない
このような声も耳にします。「サービス残業」です。
もちろん違法ですが、仮に派遣先がこのような企業だったとしても、雇用主が派遣会社なのできちんと支給されます。
もちろん、派遣会社も違法行為をすれば許可が取り消され、事業が営めなくなる可能性があるため、このようなことはありません。安心して働けますね。
5. 異動や転勤がない
正社員でよくある悩みとして、以下のようなものが挙げられます
- いきたくないと思っていた部署に異動になった
- 転勤で別の支店に行くことになった
- やったことがない仕事をさせられることになった
派遣の場合は、このようなことはありません。
勤務場所や勤務部署、仕事内容は契約時にきちんと決めてから働くので、食い違いや希望しない仕事をさせられることはないのです。
万が一、契約内容とは違う内容だったとしても、派遣会社から派遣先企業に指導してもらえる仕組みになっています。
6. 未経験でも求人がある
- 未経験の職種に転職したい
- どんな職種が向いているかわからない
- 探し方がわからない
このような疑問を持っている人もいるでしょう。でも、安心してください。
派遣会社には、未経験でも応募できる案件がたくさんあります。
無料で受けられるスキル研修なども行われているので、未経験からのチェレンジも可能です。
もし、チャレンジしてみて、あわないと思えば、契約更新をせず別の会社を紹介してもらうこともできます。



これは、契約期間が決まっているからこそのメリットと言えるでしょう。
いろんな仕事を経験しながら、自分に合った仕事を見つけられるのは派遣の大きな魅力ですね。
7. 正社員登用が目指せる
将来的には、派遣ではなく社員として働きたいと思っている人も少なくありません。
派遣には、社員になることを前提とした「紹介予定派遣」や「無期雇用派遣」への切り替え制度もあります。



働いてみて、気に入ったら社員として働きたい人にはぴったりの制度です。
途中で「将来は社員になりたい」と思った時も、営業担当者に相談してみましょう。
尚、関連記事「【どっちがいい?】正社員と派遣社員の違いやメリット・デメリット」では正社員との違いを解説していますので、参考にしてみてください。


派遣で働くデメリット


派遣としての働き方は良い面ばかりではありません。
派遣ならではの「デメリット」もあるので、しっかり把握した上で検討しましょう。
デメリットには次のようなものがあります。
- 派遣は雇用が不安定
- 最長でも3年の契約となる
- 責任ある仕事が少ない
- 年齢が上がると転職が難しい
- 営業日によって給料が変わる
一つずつ見ていきましょう。
派遣は雇用が不安定
派遣として働くためには「派遣先企業との契約」が必要です。
契約期間が定められているのが一般的で、更新によって雇用を継続していく形となります。
しかし、派遣先の都合などで契約更新されないこともあります。「派遣切り」や「雇い止め」です。
契約期間があるため仕方ないのですが、できれば安定して雇用されたいと思いますよね。



更新されないケースがあるのは大きなデメリットです。
派遣切りなどを回避する措置として「無期雇用派遣」制度がありますが、採用のハードルは高くなります。
正社員のように安定した雇用を重視する人には向いていません。
最長でも3年の契約となる
派遣には「3年ルール」があり、同じ企業の同じ部署の派遣として働き続けられる期間は、最大で3年となっています。
自分にあっている仕事でも、最長で3年までしか勤務することができないので覚えておきましょう。
3年後は「別の企業で働く」か「派遣先企業に直接雇用される」かの選択となるのが一般的です。
ただし、必ずしも直接雇用されるとは限らず、面接などが実施されるケースもあります。
また、派遣されていた時とは条件が異なる場合もあるので確認が必要です。
責任ある仕事が少ない
派遣の特性上、仕事の範囲が規約で決まっているため、働きやすい一方でそれ以外の仕事は任されることがありません。
とくに責任のある仕事は、社員が行うので任されないことがほとんどです。
これは、社員のみしか知り得ない情報があることや、そもそも派遣はどんなに長くても3年しか働けないためです。
「責任のない仕事がしたい人」にとってはメリットですが、責任ある仕事をしたい人にとっては「物足らない」と感じるでしょう。
年齢が上がると転職が難しい
一般的に、派遣に限らず年齢が上がるほど仕事は少なくなります。
責任の少ない仕事を任されることが多いので、未経験でも可能な求人はあります。
一方で、このような求人は仕事のレベルもそこまで高度なものは少なく、企業も若手を求めていることが少なくありません。
しかし、経理などの専門知識が必要となる職種においては、年齢が上がっても仕事が探しやすくなります。



簿記の上級や会計士などの資格を持っていれば、かなり重宝されます。
今のうちから資格を勉強しておくのもよいでしょう。
営業日によって給料が変わる
派遣はほとんどの場合、時給制です。そのため、収入は実際に働いた時間によって変わります。
ゴールデンウイークや夏期休暇など、休みが多い月には月収が少なくなることを考慮しておかなければなりません。
どうしても収入が足りない人は、休みの間アルバイトをするなども検討した方がよいでしょう。
派遣が向いている人の特徴


派遣社員はさまざまな制約がありますが、以下のような人にはピッタリの働き方です。
派遣に向いている人には次のような特徴があります。
- プライベートを大切にしたい人
- 好奇心旺盛で新しい環境にすぐ対応できる人
- 持っている資格やスキルを発揮したい人
該当する項目がある人は、適性があります。
プライベートを大切にしたい人
派遣は希望する条件で働けるため、勤務時間や休日のコントロールがしやすく、ライフワークバランスがとりやすい働き方です。
また、直接雇用ではないため、派遣先企業からすれば部外者となります。



人間関係のしがらみが少ないのは、メリットです。
契約通りの時間や内容で働けるため、プライベートを大事にしたい人には向いています。
好奇心旺盛で新しい環境にすぐ対応できる人
派遣の仕事は長期の場合でも3年、短期なら1カ月程度の仕事もあります。
その度に、やる仕事が変わり職場も変わらなければなりません。
環境の変化がストレスになる人には向いていませんが、好奇心が旺盛でいろんな仕事をしてみたい人や環境変化に対応できやすい人には向いています。
環境が変化してもストレスを感じにくい人なら、派遣社員としての適性があるでしょう。
いろいろな職種を経験して、やりたい仕事を見つけたい人も少なくありません。
持っている資格やスキルを発揮したい人
派遣は個人のスキルや経験によって、条件を交渉できます。
資格やスキルを持っている人なら、存分に発揮できるでしょう。
資格が必要な仕事や、高いスキルが求められるような仕事は時給も高い傾向があります。



たとえば、薬剤師や経理経験などの仕事は時給が高めです。
場合によっては、成果手当や賞与がもらえることも少なくありません。
また、企業から求められるような人材になれば、正社員として働けるチャンスもあるでしょう。
自分のライフスタイルにあった働き方をすることが一番。


ライフスタイルも人それぞれで、仕事の仕方も色々です。
必ずしも正社員で働かなければならないわけではありません。
今回の記事を参考に、自分に合っている働き方だと思ったら派遣で働くことを検討してみてください。
「やりたい仕事が見つからない」「どんな仕事が向いているかわからない」という人も、派遣会社に相談してみましょう。
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[…] 、派遣で働くメリット・デメリットについては、関連記事「派遣として働くメリット・デメリットと向いている人の特徴を解説」でも詳しく解説していますので参考にしてみてください […]